私たちの視点-ホームヘルパーの現状と改善策

 このページには私たちが改善に取り組むべだと考えている具体的なポイントを提示しています。

 ※ページの後半にはキャリア介護研究会でのディスカッションを通して私たちが気がついた問題とその解決に ついての提案を掲載してあります。

・賃金の改善

 ホームヘルパーの月収は、同一のヘルパーの毎月の収入をみても5~18万円と幅があり(安定した収入を強く望むヘルパーにとっても)不安定なものとなっています。

 その原因のひとつは、利用者の急な入院による仕事の減少をはじめ不確定な要素を多く含む労働環境にあります。

 キャリア介護システムはこうした不確定な要素による収入への影響を小さくし、より安定した収入をホームヘルパーが得られるようになることを大きな目的のひとつとしています。

・労働環境の改善

(時間給労働であるために生活が不安定。雇用制度の訂正正社員制度の導入、ならびにシステムにより常に仕事のキープを図る。)

・事業所の経営の透明化と経営改善

(書類の提出等の煩雑さをシステムによる合理化を考え無駄な社員の合理化を図る)その分ヘルパーの教育や介護の改善を図る

・改善をシステム化により、訪問介護のヘルパーの増大を図る<100万人不足>

・システムの改善を常に図り、介護されている老人の安全性の確保を図る

問題の整理/具体的な改善案

ホームヘルパーの報告のありかたについて

  

現状: 現在の制度では、介護介護従事者は作業報告を行うにあたって二葉複写紙を用い、報告を記入後、

利用者の押印を得て、一枚を利用者に、一枚を事業所に提出することになっている。


課題: ①個人情報を理由に作業を行った介護従事者には作業実績が残らない。

②紙の報告書のため、情報の伝達処理速度が遅い。

③押印を前提としているので、電子化ができない。


改善案: ①作業実績について部分的に介護事業者にデータ蓄積を許す。

②携帯電話、スマホ、PCなど電子的な方法での報告を許す。

③押印を廃止し、電子的な認証方法(タイムスタンプ、位置情報、QRコードなど)の方法で置き換える

ことを制度上認める。

 以下は、キャリア介護研究会内でのディスカッションから現在の在宅介護の問題点をそれぞれの専門分野からの視点で介護事業の改善ポイントを洗い出すものです。

【ヘルパーの時給の妥当性について】

ヘルパーの報酬の低さについては、様々なところで議論されている。ヘルパーの資格の一つである介護福祉士は国家資格であり、資格取得にあたっては、相当量の経験と知識、技術を要求されている。一方で、同じ国家資格である医師等については報酬の妥当性について議論されることはない。一つの例としてその実態をみると、

http://www.mizuno-naika-clinic.com/zaitaku-ryoukin.html

介護に関する費用についてはその総量がそもそも少ないと認識されている。しかし、高齢者にとって住みやすい国家を目指すためには、医療、福祉、介護を総体としてとらえて、その資源配分を考え直すべきではないだろうか。


【資格取得のための学費について】

介護福祉士等の資格取得を志す者にとって、学資や時間は大きな負担である。介護職を目指す者は、学資や時間に余裕のあるものが少ないのが現状ではないだろうか。もちろん社会福祉法人 全国社会福祉協議会中央福祉人材センターなどのように資格取得費用を貸付ける制度もある。しかし、介護職に就いたとしてもその後の報酬に余裕があるわけでもなく、安定さえしていない例が多い。またハローワークが実施している教育給付制度でも介護福祉士等、介護職は対象となっているが、受講生本人が支払った教育訓練経費の20%に相当する額であり、上限が10万円である。なによりも雇用保険の一般被保険者又は一般被保険者であった方が対象者であるために、主婦などは受給対象ではない。

このように介護職への意欲や能力が十分備わっていても、就業機会が得られない人が多く存在することを認識する必要がある。一方で日本の教育基本法(平成18年法律第120号)では第5条2項で「義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家および社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。」と規定している。

さらに第5条第2項に規定する目的を実現するため掲げられている目標のなかには以下のものが含まれる。
1.学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
4.家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
8.健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。

「よりよき社会の形成者として必要とされる基本的な資質」の中に介護は含まれないだろうか。義務教育は一般に7歳から15歳までという定めがある。しかし、国家や社会の品質を向上させるという目的の前にこの学齢にはどれほどの意味があるだろうか。また知識が社会を成長させることが、もはや常識とさえいえる現代社会において、国家の資源を介護職の人材育成に充当することは、速やかに実施されるべき施策であると考える。


【徴介護制度について】

我が国は、平和憲法に基づき徴兵制度を持たない。恒久の平和を志向する国家の一員であることは誠に喜ばしいことである。一方で、この徴兵制度の根本的な精神は、国防に対し、国民の義務的な負担と貢献が求められるという信念であり、
古代ギリシャの都市国家においては兵役は参政権を有する自由民の義務であった。社会保障制度の改革や高齢化社会への迅速かつ適切な対応は、将来の内なる危機に対する対応であり、等しく国民の義務的な負担と貢献が求められるという考えはありえないだろうか。特に公僕、全体への奉仕者たることを辞任されるべき、公務員等においては一定期間、介護職のキャリアを有するということは、「誇り」とされるべきかもしれない。性急な議論はあってはならないが、社会福祉制度、特に介護の問題は法理を踏まえてより高い次元で議論されるべきでなないだろうか

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